マイホームを購入するとき迷うポイントはたくさんあると思います。マンションと戸建の購入で迷い、マンション購入の結論が出た後でも次に「新築マンション」と「中古マンション」のどちらにするかで迷われるケースも少なくありません。
 そこで、新築マンションと中古マンションを「構造・設備」「コスト」のポイントで比較してみたいと思います。

構造・設備

 マンションの建物構造や設備はおよそ10年ごとに進歩しています。1980年代には耐震性、90年代には構造や遮音性、2000年代以降も住設備が大きく改善されてきました。今後は東日本大震災の影響を受け、耐震性を含めた防災性や省エネがトレンドになっていくでしょう。 新築マンションは最新の構造基準に則り、最新の設備を使用して造られていますが、中古マンションの場合には作られた時期の基準や設備で造られているため、リフォームをすれば希望の最新設備にも変更することが可能です。 しかし、リフォームで対応できる部分とできない部分がありますので、中古マンションを検討する場合にはそれらも踏まえて検討する必要があるといえそうです。

耐震性【築30年以上は旧耐震基準】

 1981年に建築基準法の改正によって耐震基準が強化されました。新築や1981年以降の物件は新基準で建てられていますが、これ以前に建てられた旧基準の物件ではまず耐震性を確認することをお勧めします。 また、阪神淡路大震災後の1990年代後半に建てられた物件は免震構造をもつものも増えています。

※リフォーム対応不可

室内構造【2005年以降は新築と同様】

 2000年頃以降のマンションではリビングは柱や梁の室内への出っ張りが少なく、広い空間が取れる構造になっています。また、高い天井や高さのあるサッシによる開放的なリビング、そして2005年頃からは複層ガラスなども一般的になり遮音性や省エネ性も高くなっています。

※リフォーム対応不可

間取り&デザイン【新築では個性的な間取りも多い】

 最近の新築ではさまざまな間取りのバリエーションがあります。一方、中古では築年数が古いほど同じような間取りの物件が多くなりますが、リフォームで間取りを大胆に変更して新築同様にすることもできます。ただし全面リフォームの場合は数百万円単位となるのでリフォーム代を込みで価格を考えることが必要です。

 また、壁の塗装やタイル・フローリングの張替えなど自分でもできる部分もあるので、費用を抑えてセルフリフォームというのもいいかもしれません。

 注意が必要なのは、水まわりの場所やじゅうたん⇔フローリングは変更できない、といった制約が付く可能性があることです。リフォームを考えている場合には事前に確認しておきましょう。

※リフォーム対応不可

室内設備【新築は最新設備!】

 新しい物件ほど新しい設備が整っており、特に90年代以降には大きく進歩してきました。追い炊きのついたオートバス、温水洗浄便座などはもちろん、2000年以降の物件では生ごみディスポーザー、床暖房、IHヒーター、食器洗浄機などが初めからついていることもあります。最近では省エネ化が進み、節水シャワーやトイレ、LED照明などが導入されつつあります。

 キッチン、トイレ、浴室など水まわりは10年~20年が耐用年数の目安なので、中古の場合はリフォームも検討すると良いでしょう。

コスト

 新築と中古で物件価格を比較すると、一般的には中古の方が安いと言えます。しかし、購入時の諸費用は新築の方が安く済む場合もあります。中古は築年数が古いほど安くなる傾向にありますが、古い物件では設備にリフォームが必要だったりと予想以上にコストがかかってしまう場合もあります。

物件価格【築11年以上が安い!】
 中古のメリットは何といってもその価格でしょう。新築と異なり、売主の利益が販売価格に上乗せされていないことも効いてきます。予算が同じなら新築より広い物件、駅に近い物件も視野に入ってきます。購入価格を抑えてリフォームにお金をかけることで、自分のこだわりを入れた部屋に作り変えることもできるでしょう。

エリア別にみると、愛知県内は価格が下がりにくく、大幅に安くなるのは築11年以上が目安のようです。さらに、築年数が浅く立地条件などに優れた物件では新築で販売されていた頃より高い価格で売られている場合もあり「中古なら必ず安い」とは言えないので注意が必要です。

 また、中古物件は新築当時に比べて資産価値がすでに減少しているので、購入時から時間が経っても資産価値が大幅に減少する見込みは低いと言えます。将来売却も視野に入れている場合には考慮したいポイントです。

諸費用【中古の方が約50万円+リフォーム代の分高い】
 マンションを買うときには、物件の価格のほかに税金や手数料などの諸費用が必要となります。ローンの種類などによっても異なりますが、新築では物件価格の3~5%、中古では6~8%が目安となります。 中古のみにかかるのは仲介手数料(=物件価格の3%+6万円(+消費税))。新築のみにかかるのは修繕積立基金(将来の大規模な修繕工事への備えた一時金。30万円~60万円)です。

 また、中古物件の場合、リフォームをするかどうか考える必要があります。内装や水まわりのリフォームは、築15年で100~200万円、築20年で300~350万円が目安となります。もちろん内容によってはもっと高くつくことも考えられます。

 キッチン、トイレ、浴室など水まわりは10年~20年が耐用年数の目安なので、中古の場合はリフォームも検討すると良いでしょう。

まとめ

 このように、中古マンションを選んだ場合でも室内環境や設備はリフォームである程度は自由に変更でき、自分好みの部屋にすることが可能です。また、中古物件の方が物件数が多く、希望の立地に見つけやすいという利点もあります。 しかし、建物の構造は後から変更することができないため、購入前にしっかりと確かめなければなりません。 さらに、設備などはこだわるほどリフォーム費用が高くなるので注意が必要です。 以上を踏まえると、「新築=高い」「中古=安い」という先入観にとらわれずに、購入やリフォームに関わる費用、どうしても譲れない構造や設備などの条件も含めて総合的に判断することが肝要と言えるでしょう。

新築のメリット
・機能性に優れた最新設備
・耐震性や耐久性の面で安心
・諸費用は低く抑えられる
・設備の老朽化などに悩まされることが少ない
中古のメリット
・価格が安い
・リフォームで自分好みの住まいにできる
・売却時に資産価値が下がりにくい

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