マイホームを検討するとき、「マンション」と「戸建て(分譲・注文)」のどちらが自分たちに合うのか迷う方は多いと思います。
そこで本記事では、①価格・費用、②住環境、③資産性(売りやすさ・価値の保ち方)の3つのポイントで、マンションと戸建てのメリット・注意点を整理します。
※ここでの比較は一般的な傾向です。立地・築年数・管理状態・建物性能・家族構成で結論が変わりますので、最終判断は個別物件ごとに確認しましょう。
ポイント1.価格および費用(購入時+住んでから)
住宅費は「ローン返済」だけでなく、毎月・毎年のランニングコストと、将来の修繕費まで含めて比較するのがコツです。
①購入価格(同じ条件での単純比較は難しい)
「駅近・中心部・便利な場所」ほど土地の影響が大きく、戸建ては土地代が価格に直結しやすい一方、マンションは眺望や階数、共用施設、ブランド等で価格が変動します。
そのため“同じ条件ならマンションが安い/戸建てが安い”と一概には言えません。比較するときは、立地(駅距離・生活利便)/専有・延床面積/築年数/性能(断熱・耐震)をなるべく揃えて見ましょう。
②マンション特有の費用:管理費・修繕積立金・駐車場代など
マンションでは共用部分(廊下・エレベーター・外壁・設備等)を維持するため、管理費・修繕積立金が発生します。
全国調査の平均(目安)では、管理費 11,503円/月・戸、修繕積立金 13,054円/月・戸(いずれも駐車場使用料等からの充当を除く)となっており、合計で月2万円台になるイメージです。
また、機械式駐車場の有無、エレベーター台数、共用施設の充実度などで金額は大きく変わります。
注意ポイント:
・修繕積立金は段階増額方式(年数とともに上がる設計)も多く、将来の負担が増えることがあります。
・大規模修繕のタイミングで、一時金が発生するケースもあります。
・「安い=良い」ではなく、長期修繕計画と積立の妥当性を必ず確認しましょう。
③戸建て特有の費用:自分で“将来修繕”を準備する
戸建ては管理費がない代わりに、屋根・外壁・防蟻・設備交換などを自分で手配・予算化する必要があります。
例:外壁塗装や屋根メンテ、給湯器交換、バルコニー防水、庭・外構の補修など。
「毎月一定額を払う(マンション)」か、「タイミングに合わせて支出する(戸建て)」かの違い、と捉えると分かりやすいです。
④固定資産税・都市計画税(“古い=必ず安い”ではない)
固定資産税は、土地と建物(家屋)それぞれに課税されます。建物は年数経過で評価が下がることが多い一方、評価は再建築価格×経年減点補正率で行われ、建築物価の影響等により「築年数が進んでも評価額が下がらない/上がる」こともあります。
マンションの土地部分は敷地全体の税額を持分で按分し、建物部分は面積按分で各戸に割り振られる仕組みです。
⑤省エネ(2025年4月以降の新築は“省エネ基準適合”が前提に)
2025年4月以降、原則としてすべての新築住宅で省エネ基準への適合が求められます。新築・築浅を選ぶ際は、断熱・省エネ性能(光熱費の目安やラベル表示等)も比較ポイントになります。

ポイント2.住環境(暮らしやすさ・制約・手間)
①騒音(マンションも“無音”ではない)
マンションは構造や遮音設計により差があります。上下左右の生活音は、床の遮音性能・間取り・住戸の使い方で感じ方が変わり、一定数トラブルの原因にもなります。
一方、戸建ては上下階(他世帯)への気遣いは減りますが、窓を開けた音や車の出入りなど、外部への音/外からの音が気になりやすい面があります。
②ペット・楽器(ルールの違い)
マンションは管理規約・使用細則で、ペットの種類や頭数、楽器演奏の時間帯等が定められていることがあります。
戸建ては比較的自由度が高い一方、近隣への配慮(鳴き声・音量・時間帯)は必要です。
③セキュリティ・プライバシー
マンションはオートロック、防犯カメラ、管理員など、セキュリティ面が充実しやすい傾向があります。
戸建ては立地や敷地条件によって見通しが変わるため、必要に応じて照明・センサー・防犯ガラス等で補うと安心です。
④共用部分の有無(便利さと“合意形成”)
マンションは共用部分の清掃や修繕を任せられる反面、意思決定は管理組合を通じて行われます。
「リフォームの制限(共用部/サッシ等)」「修繕方針の合意」「役員当番」など、共同で暮らす前提の手間が発生します。
戸建ては共用部分がないため、維持管理・修繕の判断を自分たちでスピーディに行えます(=手間も自分たち)。
⑤バリアフリー・動線
マンションはワンフロアで完結しやすく、段差が少ない間取りも多いため、将来の暮らし方と相性が良いことがあります。
戸建ては階段がある間取りが一般的で、将来は1階中心の生活に備えた間取りやリフォームの検討が安心です。
⑥断熱・気密(光熱費・快適性)
マンションは上下左右に住戸があることで熱が逃げにくいケースもあります。戸建ても近年は高断熱仕様が増えていますが、性能は物件ごとに差が大きいので、断熱等級や窓仕様など“見える指標”で比較するのがおすすめです。

ポイント3.資産価値(中古で「売りやすさ」を左右するポイント)
資産性は「マンション/戸建て」の種類だけで決まるものではなく、立地・管理状態(修繕の状況)・建物の状態によって結果が大きく変わります。特に中古では、①立地(需要)、②建物の状態、③維持管理の見通しが“将来の売りやすさ”を左右します。
豊田市を中心に(岡崎市・みよし市を含む西三河エリア)では、暮らしの動線が車利用を前提に組み立てられているケースが多く、資産性(=中古での売りやすさ)も「駅距離」だけで決まらない傾向があります。
具体的には、主要道路への出やすさ・渋滞の影響・駐車のしやすさ、そして買い物/医療/教育など生活利便が評価されやすいポイントです。
また、同じ市内でもエリア(中心部/郊外)や区画のまとまり方、周辺環境で需要は大きく変わります。比較するときは「いまの価格」だけでなく、将来の売却も見据えて需要が安定しやすい条件を押さえておくと安心です。
①戸建て(中古)の資産性:土地条件が“強さ”になりやすい
戸建ては土地の比重が大きく、立地と土地条件が売りやすさに直結しやすい傾向です。豊田市周辺では車利用が前提になりやすいため、次の要素は比較の際に見られやすいポイントになります。
【見られやすいポイント例】
・駐車のしやすさ(台数だけでなく出し入れ)
・前面道路の幅員、接道状況、見通し
・地形(高低差)や敷地形状、日当たり
・ハザード(浸水等)や地盤に関する不安の少なさ
・将来のリフォーム/建替えのしやすさ(法規・敷地条件)
建物は年数とともに評価が落ちやすい一方、リフォームで印象や機能を回復しやすいのが戸建ての特徴です。中古では、購入前に「直す前提の費用感」と「直しても足を引っ張る要素がないか(雨漏り・構造・地盤等)」を整理しておくと失敗しにくくなります。
②マンション(中古)の資産性:立地+管理状態で“差”が出やすい
マンションは立地(駅・生活利便)に加え、管理状態(長期修繕計画、積立状況、修繕履歴)が中古市場で重視されやすい傾向です。
また、築年数が進むほど「今後の修繕負担」「設備更新(給排水・EV等)」「耐震性(旧耐震か)」などが検討材料になります。中古マンションは、室内のきれいさだけでなく、建物全体の“健康状態”を必ず確認しましょう。
③中古で“売りやすさ”を守るためのチェック(要点)
最終的には、買う前の確認でリスクを減らすことが資産性につながります。次の「書類」と「現地」の両方をセットで見るのがおすすめです。
中古マンション:購入前チェックリスト
・管理規約/使用細則(ペット・楽器・リフォーム制限)
・重要事項調査報告書(管理費・修繕積立金、滞納、積立金残高、借入等)
・長期修繕計画(計画期間、見直し状況、次回大規模修繕の時期)
・直近の総会議事録(トラブル、将来工事、課題の有無)
・大規模修繕の履歴(外壁、防水、設備更新の実施状況)
・共用設備の更新リスク(機械式駐車場、エレベーター、給排水等)
・耐震性(旧耐震/新耐震の目安)
中古戸建て:購入前チェックリスト
・建物状況調査(ホームインスペクション)を検討(雨漏り、傾き、腐朽、シロアリ等)
・屋根/外壁/バルコニー防水の状態と、直近メンテ履歴
・給湯器・水回り・配管の更新時期目安(交換費用の想定)
・耐震性(建築時期、耐震改修の有無)
・ハザード(浸水・土砂等)と、敷地の高低差・擁壁の状態
・駐車のしやすさ(車種・台数・出し入れ)と前面道路の状況
・境界(ブロック・フェンス含む)や越境の有無(将来トラブル回避)

まとめ(結局どちらが向いている?)
マンションは、セキュリティや利便性、ワンフロア動線などのメリットがある一方、管理費・修繕積立金などのランニングコストと、管理組合による合意形成が前提になります。
戸建ては、リフォームや暮らし方の自由度が高く、敷地を活かした住まい方ができる反面、維持管理の手配と将来修繕の資金準備は自分たちで行う必要があります。
「どちらが正解」ではなく、家族構成・通勤通学・将来の暮らし方・許容できる手間で選ぶのが失敗しにくい選び方です。
戸建てが向いている人
・リフォームや暮らし方の自由度を重視したい
・ペットや楽器など、生活ルールの制約を減らしたい
・庭・駐車・収納など“敷地を活かす暮らし”をしたい
・維持管理を自分たちで進めることに抵抗がない
マンションが向いている人
・駅近や生活利便性を優先したい
・セキュリティや共用サービスの安心感が欲しい
・ワンフロアの動線(将来の暮らしやすさ)を重視したい
・維持管理を“仕組み”で回したい(管理組合への参加は許容できる)
| マンション | 戸建て | |
| 購入時の選び方 | ○(立地+管理で差) | ○(土地条件が重要) |
| 住んでからの費用 | △(管理費等の確認) | ○(修繕は計画的に) |
| セキュリティ | ○ | △(立地次第で対策) |
| 将来の暮らしやすさ | ○(段差少なめ) | △(階段等は要検討) |
| 維持管理の手間 | ○(任せられる面) | △(自分で手配) |
| ペット・楽器の自由度 | △(規約確認) | ○(管理状態が重要) |
| 中古の売りやすさ(条件次第) | ○ | ○(立地・土地で差) |