多棟現場(分譲地)とは、ひとつのまとまった土地を複数区画に分けて、複数棟の住宅としてまとめて販売・供給する形のことを指します。愛知県豊田市でも、新規分譲地や多棟分譲(建売/売建)として一般的に見られます。
多棟現場は「良い・悪い」ではなく、メリット・デメリットがはっきり出やすい買い方です。特徴を理解したうえで、購入する1棟を判断することをおすすめします。
多棟現場のメリット
多棟現場には、次のようなメリットがあります。
・土地仕入れのスケールメリットが出やすい
大きな土地を一括で仕入れて造成・分譲するため、条件によっては価格を抑えた供給が可能になるケースがあります(※必ず安くなる、という意味ではありません)。
・街並みの統一感が出やすい
同一(または近い)コンセプトで外観・植栽・外構が計画されることが多く、見た目のまとまりが出やすい傾向があります。
・比較検討がしやすい
同じ分譲地内で、日当たり・道路付け・駐車のしやすさ・隣家との距離などを「現地で見比べて」判断できるため、初めての住宅購入でも検討が進めやすいです。
・入居時期が近く、生活ルールが作りやすい
新規入居が同時期になりやすく、近隣の挨拶や子育て世帯同士のつながりなど、コミュニティが立ち上がりやすい面があります。
・道路条件によっては、セットバック等が「まとめて整理」されやすい
前面道路が建築基準法42条2項道路に該当する場合など、後退(セットバック)を要する条件では、分譲全体で線引きや整備が進むことで、通行の安全性や見通しが改善することがあります(ただし敷地の有効面積に影響するため、最終的には個別確認が必要です)。
多棟現場のデメリット
一方で、次の点はデメリット(注意点)になりやすいです。
・分譲地内の“成約価格”に相場が引っ張られやすい
多棟現場では、同じ分譲地内の取引事例が比較材料になりやすく、将来売却する際も、良くも悪くも近い条件の売買価格が影響しやすい傾向があります。
・電柱・支線・ゴミ置き場・集会所(地域による)などが新設されることがある
どの区画の近くに設置されるかで、駐車のしやすさ・見栄え・生活動線・におい等の感じ方が変わるため、位置の確認は重要です。
・「私道」や共有設備の管理が発生する場合がある
分譲地内道路が位置指定道路(42条1項5号)などの私道となる場合、将来的な補修・清掃・掘削時の同意など、管理面の手間が発生することがあります(管理主体・負担方法を要確認)。
・工事期間中のストレスが出やすい
入居後もしばらく周辺で建築工事が続くと、騒音・粉じん・工事車両の出入りが気になりやすいです。
・間取り・窓位置が似やすく、視線が気になることがある
同じ設計思想で建てられるため、リビング同士が向かい合う/2階窓が目線で合う等、プライバシーの工夫が必要なケースがあります。
豊田市で特に押さえたい「確認ポイント」(実務で効く)
多棟現場の検討では、現地の印象だけでなく、次の“書類・条件”の確認で失敗が減ります。
・前面道路の道路種別(建築基準法上の道路か/2項道路か/位置指定道路か等)
・セットバックの有無と後退線(2項道路に接する場合、原則として中心線から2m後退など。豊田市のガイドラインで取扱い確認)
・私道の場合の管理(所有形態、通行・掘削の承諾、維持管理費、将来の修繕方針)
・造成(切土・盛土)がある場合のリスク(擁壁の状態、排水計画、規制区域・許可の要否など)
※造成や盛土等を伴う開発は、近年、規制が強化されています。分譲地で高低差・擁壁・盛土がある場合は、関係書類(検査・許可・施工内容)まで確認しておくと安心です。